ライブラリ整理

長いこと作曲やっていると自分にとって即戦力となるライブラリはおのずと固定されてくるが、いつもいつも同じライブラリを漁っているといい加減飽きてくる。それで少しずつ買い足していくと、今度は昔の一軍ライブラリの活用法を忘れてしまう。音ネタの幅を広げて発想力の底上げをするためライブラリを整理してみる。丁度作曲環境もほぼCubaseオンリーにシフトしてきたのでライブラリのパス切れも怖くない。試聴作業にはCubaseのメディアベイを使う。

メディアベイ

このメディアベイは割と重い上に接続されたハードドライヴを片端から検索して回るのでシングルコアCPU程度の環境ではクラッシュを頻発し使い物にならなかった。だが先の4.1アップデートでメディアベイもほぼ完全に安定するようになった。4.1からの新機能としてスキャンするパスの除外設定ができるようになった。余計なパスを検索せずライブラリのファイルリストだけをキャッシュしておけるため無駄のないデータベースを構築し高速な検索が可能となる。この除外設定はライブラリの参照のみならずVSTプリセットブラウザともリンクしているため、うっかりDocuments and Setteings以下を除外すると作成したプリセットが参照できなくなる。アップデート時に飛ばされたのかと思って冷汗かいた。

カテゴライズ

メディアベイで表示している任意のサンプルにカテゴリやスタイルなどの属性与えることができる。こうした、ディレクトリ構造を超越したタギングによる設定管理はNative Instruments製のモジュールやVirus TIにも見られるトレンドのようだ。今まではライブラリのカテゴライズにあまり興味がなかった。どうせライブラリは最初からLoop, Drums, Keysといったカテゴリでフォルダごとに整理されている。だが利用法を思いついた。ライブラリの中から気に入ったサンプルだけにカテゴライズを行っておけば、超フォルダ構造のフェイヴァリットリストを構築できる。従来の「潜って取りに行く」というライブラリ使用から「好きなものを集めておいて選ぶ」というライブラリ活用に変遷することは何か大きな意義があるように思える。
ところで、この属性情報はWAVファイル自体のヘッダか何かに直接埋め込まれるらしい。カテゴリ分けをするとファイルの更新日時が更新される。ACIDLiveのように設定ファイルを個別に吐き出されて設定ファイルの山ができるよりはマシだが、代わりに自分で除去できない情報なので少し気味が悪い。だがマーカーなどの埋め込みは日常的に使っているわけだし、その延長だと思えばいいか。

まとめ

ざっくり4時間ほどライブラリと格闘して作業終了。メディアベイのバグを一つ見つける。自動再生をオン、ループをオフで再生するとき、サンプルの再生が終わる瞬間に別のサンプルを選ぶと再生が停止してしまう。カーソルキーでザクザク送っていくとたまに再生が止まるのでテンポが悪い。それとメディアベイ上のサンプルにエフェクトをかけてプレビューすることができないのは残念。それにしても、Cubaseのタイムストレッチ技術はものすごい精度だ。どういったアルゴリズムが用意されているのか詳細は把握していないが、タイムストレッチ専用ソフトの必要なしにヴォーカル曲のリミックスプロダクションに対応できる。波形編集に関してはACIDLiveのようなオーディオ特化ソフトをも凌駕する勢いだ。ループ機能がもう少し補強されれば間違いなく最強のオーディオシーケンサである。クラッシュばかりで頭に来るCubase4だがそろそろ手に馴染んできたかな。やはり一年くらい使ってみないとDAWなんて解るものではない。