Fuzzpilz Oatmeal (と、その不具合)

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OatmealはフリーウェアVSTiの最高峰の一つだと言えるくらいに気に入っている。波形をマウスで手書きできるオシレータセクションと、モジュレーションマトリクスを関数グラフでモニターできるのが機能面での特徴。音はアブストラクト・エレクトロニカ向きで、7thや9thといったテンションと相性の良いようなテクスチャーサウンド。確実に、このシンセじゃなきゃ出せない、という音がある。有機的なデジタル色といった趣で、複雑なパッド音などたまらない音が出せる。大変重宝する。
ところが、新PCでは致命的なバグが発生した。Oatmealを2台以上立ち上げて同時に再生すると音色がバグる。ディストーションとリングモジュレータをかけたような音に変わってしまう。1台のみ再生する分には正常に動作する。このような現象は経験上例がなく原因は定かではないが、Pentium4では問題なく動作していたことからクアッドコアCPUでのマルチスレッディングに何か問題があるのかもしれない。今後は1プロジェクトにつき1台のみの構成なら安全に使用できる、なんて考えは起こらない。既に原因不明で解決不能な問題がある以上、後々のリスクを考えると残念ながら今後の使用は控えることになる。複数台使用している既存のプロジェクトの処遇には頭を抱えるばかりだ。

フリープラグインの悲しさは正にこの点である。作者に一切のサポート義務が存在しないため、トラブルに遭遇しても改善を期待できない。無償なのだからぎゃあぎゃあわめくな、At your own riskだ、という話なのだが、使う身としては有償無償関わらず気に入ったものを使いたいだけなので、こういった事態に遭遇するとただただ残念でならない。かといって、この手のリスクを回避したければ有償ソフトのみを使えば良いのかというと、そこでもサポートされない不具合がないとも言えないのが皮肉ではあるが。

つい愚痴ってしまった。このシンセ、デフォルトのGUIは要虫眼鏡な感じで無闇に難解だが、KVRのフォーラムにてスキンパッケージが配布されている。僕自身スキンを変更するまで所持していても全く使うことはなかった。この中から視認性の高いものを適用するのがベター。
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