ネットワークドライブを使ってDAWライブラリマネージメントを効率化する

Windowsを使い始めて早幾年、初めてマイネットワークを触る。旧マシンのデータ移行用にローカルネットワーク構築を試みたがうまくゆかず、結局外付けHDDを中継して引き継ぎを済ませた。しかし、ネットワークの知識を得るうちに有用なライブラリ管理のアイディアを閃いた。

ネットワークドライブ

Windowsのネットワーク機能の一つに「ネットワークドライブの割り当て」という機能がある。これはネットワーク上のマシンの任意の共有フォルダへドライブレターを宛がい、共有フォルダ以下をあたかも特定のディスクドライブのように扱える機能である。ネットワークドライブとして割り当てる共有フォルダは必ずしもゲストPCである必要はない。ホストPCの共有フォルダを指定すればローカルディスクの任意のフォルダを仮想的にドライブ化できる。

静的なDAWライブラリ

ここで思い出すのがDAWにおけるプロジェクトやサンプルライブラリのディレクトリ構造の厳格性だ。大抵のDAWやソフトウェアサンプラーは外部のオーディオファイルを参照すると、プロジェクトの作業フォルダ内のオーディオファイル等は相対パスで読み込み、その他の場所にあるファイルは絶対パスで記憶している。そのためオーディオサンプルを格納したライブラリの位置関係を崩すとDAWは使用したサンプルを見失い、プロジェクトを正常に展開できなくなってしまう。長年DAWを扱う者ならおよそ誰しも経験する頭痛の種だ。数百ギガバイトに上るプロジェクトやライブラリの構造を崩すことなくディスクを整理運用していくには事前に綿密な計画性が必要となるが、これに前述のネットワークドライブを導入することで効率的な管理が可能となる。

運用

ローカルディスクに存在するサンプルライブラリやプロジェクトフォルダに共有設定を行いネットワークドライブとして割り当てる。すると、例えば「C:\File\Library\Title\Sample.wav」といったディレクトリ構造を「N:\Title\Sample.wav」のように簡素化でき、また共有フォルダの実体である「C:\File\Library」を「D:\Library」に移動しても、ネットワークドライブを割り当て直すことでDAWはファイルを見失うことなくNドライブ上のパスを参照する。これでDAWが記憶しているディレクトリ構造を保持したまま動的なライブラリマネージメントを行えるようになる。
プロジェクトフォルダへ「P:」、ライブラリへ「L:」をそれぞれドライブレターとして割り当てた。