ドナドナ・歌詞の真相

気が付くとカレーを煮ながら「ドナドナドーナードーナー」などと口走っていたので今日はドナドナについて知ろうと思う。
Googleで簡単に調べたところ、ドナドナ(Donna Donna、またはDonay Donay)は1940年ごろ、SECUNDA SHOLOM SHOLEM作曲、SECUNDA SHELDON SHELLY作詞により作られたとされる。両者の性は同じセクンダなので、家族か夫婦かであったのだろうか。何といっても気になるのは例の「ドナ・ドナ」という不思議な歌詞の意味につきる。しかしこれが何とも諸説紛糾しており、Wikipediaによれば、

ユダヤ人は、彼らが信仰している(ユダヤ教の)神のことを「アドナイ」(主よ)と呼ぶ。その「アドナイ」をナチス当局に悟られないように、「ドナ」と短く縮めて表現して、戦争の不条理を神に嘆きつつ、悲しみのうちに「主よ、主よ」と歌ったものと解される。
ドナドナ - Wikipedia

とある。第二次大戦下である1940年の欧州情勢を鑑みれば一見しっくりくるが、これには反論が存在する。ドナドナ研究室なるサイトのレポートの中に『離散するユダヤ人』(小岸 昭著/岩波新書)のドキュメンタリが引用されており、孫引きさせていただくと、

実際にイスラエルの人々に意見を伺ってみると、「あれは水だ。」とか「あれは、ロシアから伝わってきた歌だからドナとは川、もっと厳密に言えばドン川」などと言った答えが返ってきて、作者はかなりショックを受けたようです。エルサレムヘブライ大学でイディッシュ文学を専攻している学生からは、「アドナイ」の短縮形が「ドナ」になることは絶対にない、と明確に否定までされてしまったのです。
ドナドナの意味・由来は?

と、当のユダヤ人から否定されている。じゃあ何なんだとさらに調べると、単純に、

「ドナドナ」とは、牛を追いたてる言葉のことです。
「やあやあ」とか「どうどう」と言った感じでしょうか。
http://howard1.hp.infoseek.co.jp/donadona.htm

とする簡明な説もあり、実にドグラマグラな様相を呈している。結局確証のありそうな説には辿り着けず。
意味こそわからずじまいだったが、マイム・マイム(水だ、水だ)のように、ユダヤの言葉には不思議と心に染み入る素朴な節の響きがある。もっとも僕の聴くイスラエル音楽というと専らサイケデリックなんだけど。

離散するユダヤ人―イスラエルへの旅から (岩波新書)

離散するユダヤ人―イスラエルへの旅から (岩波新書)