いつJASRACは慈善団体に鞍替えした


 日本音楽著作権協会JASRAC)は4月11日、能登半島地震の被災地域について、4〜6月分までの管理楽曲使用料を徴収しないと発表した。

 石川県が災害救助法の適用を決めた輪島市など3市4町でJASRACと利用許諾を結んでいる旅館・ホテル、カラオケ飲食店、カラオケボックスなどを対象に、3カ月分の楽曲使用料を徴収しない。「微力ながら復興を支援する」としている。
JASRAC、地震被災地の楽曲使用料免除 - ITmedia NEWS

JASRACはどこまで横暴なのか。この一見良い話のような措置には凄まじいまでの倣岸さが潜んでいる。
当たり前の話だが、JASRACが楽曲使用料を徴収するのは著作権保持者から楽曲の著作権管理を契約によって委任されているからだ。その目的は主に、アーティストへ著作権使用料を支払うためである*1。しかるにJASRACの一存で楽曲使用料の非徴収を決め込むとは何事なのか。「微力ながら復興を支援」したいのならば何故JASRACの予算から募金しないのか。アーティストへの収入を一存で絶つことのできるJASRACは一体何様なのか。音楽活動の分野で支援できることが何かしらあるのは否定しないが、それを行うのはアーティストや事務所、レコード会社の仕事であって、著作権管理団体の出る幕ではない。

*1:正確な流れを言えば、JASRACから著作権者である出版社へ支払われ、出版社から著作者であるアーティストへ分配される