DAW - ソフトウェア王政の崩壊

新たなコンセプトと意欲的な実験精神に溢れたソフトウェアの波濤にその地位と存在感を奪われつつあったハードウェア群であったが、近年、更なるDSPの性能向上とソフトウェアとの有機的統合によって革新的なデザインが生まれようとしている。現在のシステムモデルのトレンドは統合管理のためのコンピュータ一極集中型であるが、効率化のためにPCへの依存率を高めた事が却ってシステムリソースという名の桎梏を生み出し、生産性と創造性を阻害してしまう事態が往々にして起こっている。これは絶対王政的なソフトウェア主体のシステムモデルが内包する構造的欠陥と言える。今、必要なのはバランスコントロールされた負荷分散型システムモデルだ。シームレスにDAWへ統合できるインターフェイスを併せ持つハードウェアデザインこそがこの現状に吹き抜ける颶風となり、あらゆるハードウェアを次世代へと推し進める枢要であると確信する。